「暗記パン」に見る「その時点で最適な学習方法」に関する一考

 その人にとってその時点で最適な学習方法は「科目別・能力別・目標到達(入試・テストなど)までの残り時間など」さまざまな要素を組み合わせることで千差万別存在すると思います。それにどれだけコミットできるのかが塾講師の大きな課題です。

 「ドラえもん」のひみつ道具の中に「暗記パン」というものがあるそうです。暗記したいことをパンに書いて食べるとそれを暗記することができるというものだそうです。しかし難点が一つ。それは暗記パンは通常の食パンと大きさがそれほど変わらないので1枚に書ける内容はごくわずか。だから覚えたい内容が増えるとそれに比例して食べなければならない暗記パンの量も増えるということです。見ていて面白かったのは野比のび太は「掛け算のひっ算とその答え」まで暗記パンに書いて食べていたところです。果たして彼が翌日受けるテストで全く同じ数字の問題は出題されるのでしょうか?また暗記するためにたくさん暗記パンを食べた野比のび太は体調を崩していました。なんとも「ハイリスク・ローリターン」な学習方法ですね。

 この事例を挙げて私が言いたいことは「良し悪し」は別として(まあ悪いでしょうけど)ドラえもんは「暗記パン」が野比のび太にとってその時点で最適な学習方法(まあこれは学習方法とは言えないでしょうが)と考えたことです。賛否はあるでしょうが(まあ否ばかりでしょうけど)ドラえもんはテストが明日に迫っている野比のび太に今自分がしてあげられる最大限の方法としてこの方法を決断し提供したわけです。

 「その時点で最適な学習方法」は事前に用意できるものとそうではないものがあります。でも私たち塾講師はたとえ生徒が今まで涼しい顔をしていてテストが近づいていることを全く私たちに告げず、またそんな素振りを一切見せなかったにも関わらずテスト前日突然「先生~!明日テストがある~!どうしよう!!」と言ってきたとしても笑顔で最大限その時点で最適な学習方法を提案できるよう頑張っていきたいと思っています。あ!ちなみにどんなに切羽詰まっていたとしても当方は暗記パンの入荷の予定はありませんので悪しからず(笑)

 

 

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